大雨で一部不通の五能線 年内に全線で運転再開 「リゾートしらかみ」全区間運転も復活

JR東日本は、2022年8月の大雨の影響により運転を見合わせている五能線の一部区間について、12月23日(金)頃までに順次運転を再開し、全線が復旧する見込みです。

五能線深浦駅に停車しているJR東日本の観光列車「リゾートしらかみ『橅』」HB-E300系ハイブリッド気動車(まこりげ/写真AC)
五能線深浦駅に停車しているJR東日本の観光列車「リゾートしらかみ『橅』」HB-E300系ハイブリッド気動車(まこりげ/写真AC)

深浦〜鰺ヶ沢間は23日復旧予定

大雨による五能線の線路被害箇所は合わせて約70か所に上り、陸奥赤石駅〜鰺ヶ沢駅間にかかる中村川橋りょうなど4か所の橋で変状が確認されたほか、土砂流入、道床流出なども多く発生しました。この影響により、岩館駅〜鰺ヶ沢駅間で運転見合わせが続いていましたが、このうちの岩館駅〜深浦駅間は復旧作業や設備の安全確認の目処が立ち、12月9日(金)始発列車から運転を再開しました。東能代駅〜深浦駅間のバス代行輸送については12月8日(木)をもって運転を終了しています。

深浦駅〜鰺ヶ沢駅間については運転見合わせが続き、バス代行輸送および路線バスへの振替輸送が行われます。この区間の線路設備等の復旧工事は順調に進捗しており、12月23日(金)頃に全線で運転再開できる見通しが立っています。

五能線の観光列車「リゾートしらかみ」は現在、運転本数を1・2号の計2本に減らした上で、鰺ヶ沢駅〜青森駅間での区間運転が実施されています。「リゾートしらかみ」の運転日には、鰺ヶ沢駅で列車に接続する臨時の代行バスも設定されています。

この区間運転は、五能線の全線運転再開に伴い12月23日(金)で終了となり、12月24日(土)からは本来の運転区間である秋田駅〜青森駅間で1日あたり最大4本(1・2・5・6号)の運転が計画されています。12月24日(土)運転分以降の「リゾートしらかみ」の指定席は、12月9日(金)の営業開始時刻からの発売取り扱いとなります(運転見合わせ区間の路線図、「リゾートしらかみ」の運転時刻など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】JR東日本 五能線の運転見合わせ区間を順次運転再開

花輪線・津軽線は不通続く

五能線のほかに、同時期の大雨被害により北東北エリアで運転を見合わせている区間は、花輪線の鹿角花輪駅〜大館駅間および、津軽線の蟹田駅〜三厩駅間です。

花輪線では、並行して流れる米代川の護岸などが被災しており、復旧は2023年4月から5月頃になると見込まれています。現地の状況や天候、工事工程の調整などにより時期が変更となる場合もあるとしています。列車運休区間では代行バスが運転されているほか、代行バスの運転時間外は路線バスおよび高速バス「みちのく号」への振替輸送にも対応しています。

津軽線でも線路設備に大きな被害が確認されており、復旧工事には少なくとも数か月を要すると見込まれています。さらに、冬季は降雪による融雪水の影響を受けることを考慮した上で、2022年度内の本格的な工事着手は困難との見通しが示されています。不通区間ではバス代行輸送が行われているほか、青森県今別町、外ヶ浜町の一部エリアではデマンド型乗合タクシー「わんタク」を活用した振替輸送も実施中です。